フラップ(高揚力装置)

航空雑学

飛行機に乗っていて、離着陸する時に主翼の後ろが大きく伸びているのに気づいた方も多いでしょう。大型旅客機なら飛行場の見学コースからでもよく見えるほどです。

いっぽうセスナや戦闘機などの小型機ではどうでしょう?ほとんど見えませんが、ちゃんとフラップ(flap:高揚力装置)があります。

離陸時は、巡航速度まで加速して滑走路からテイクオフするのが理想です。しかしこれでは滑走路が何kmあっても足りません。

いっぽう巡航速度で着陸したら、脚に大きな負担がかかるどころか大事故。

そこで、航空機の速度が遅いときに限って、一時的に主翼の面積を広げて揚力を確保しようというのが「フラップ」なんです。

小型機は、主翼の後縁の一部を下に折り曲げ、上部を流れる風を通常よりもっと遠回りさせてやります。

すると、右の図のように上部を流れる風がさらに速くなり、気圧がさらに下がることで揚力が大きくなるのです。大型機の場合はもっと大胆で、主翼の後縁(後縁フラップ)をグッと延ばし、さらにそれを小型機同様に曲げます。これだけでも足りない場合は、前縁(前縁フラップ)も前方に伸ばして揚力を確保。これで、速度が遅くてもじゅうぶんな揚力を確保しているのです。

速度が十分にある場合は、フラップを下ろしていると風の抵抗を受けてしまいます。これでは燃費が悪くなるどころか、フラップに大きな力がかかり破損してしまうのでこれを格納します。フラップの操作は、フラップレバーで行います。

格納状態ではフラップ0。大きく下ろすには、フラップレバーの数値を大きくします。

着陸する場合、速度をできるだけ落としてソフトランディングしたいので、フラップを最大(20 ~30)まで下ろします。

離陸する場合は、エンジン全開で速度を上げていきますから、最大フラップより数段絞って10 ~20 でテイクオフ。その後ギアと一緒にフラップも格納します。

FSXでのキーボード操作だと、以下の通りです。
F5 キー
フラップを完全に上げる
F6 キー
フラップを一段上げる
F7 キー
フラップを一段下げる
F8 キー
フラップを完全に下げる

コメント